存在にあっては、優れている人はひとりもいないし、劣っている人もひとりもいない。一枚の草の葉も大きな星もまったく平等だ……。
だが、人間はほかのものよりも高い位を占めたがる。自然を征服したがる。だからこそ、人間はたえず戦わなければならないのだ。この戦いからあらゆる複雑さが生まれる。無垢な人とは、戦うことを放棄した人のことだ。より高い位を占めることにはもはや興味のない人、自分は特別なのだということを行動で示し、証明することにはもはや興味がない人のことだ。一輪の薔薇(ばら) の花のように、あるいは蓮の葉の上のしずくのようになった人のこと、この永遠の一部になった人のこと、溶け、溶け去り、大海とひとつになり、まさにひとつの波になった人のこと、「私」という考えがない人のことだ。「私」の消失こそが無垢だ。
Osho The White Lotus Chapter 6